「WEBサイトを利用しているユーザーの動きが全然読めない!どんな記事を企画しても結果につながらない!」
Contents
ペルソナ作成がWEBマーケティングに必要な理由
「ペルソナ作成ってどうしてWEBマーケティングに必要なの?」

ペルソナとは「架空のユーザー像・人物モデル」です。
マーケティングの過程でこのペルソナを作成すると、ユーザーが求めるサービス・商品を考えやすくなったり実際のサービス・商品購入までのストーリーも考えやすくなったりします。
- ターゲット
「30代・女性・主婦」「40代・男性・会社員」というようにある程度幅を持たせた一つの属性 - ペルソナ
リアリティのある人物像

- ユーザーの欲しい情報が仮説できる
- 商品購入までのストーリーを仮説できる
ペルソナ作成により本当に効果的なアイデアだけに絞ることができるようになると、時間やコストを無駄にせず効率的に結果を求めていけるようになるのです。
ペルソナ作成で失敗する3つのパターン
情報量が多すぎる教科書的なペルソナ

ペルソナ作成の際に、情報量が多すぎる教科書的なペルソナを作ってしまうと失敗するパターンがあります。
これを「プロフィール充実型」と呼びます。
- 25歳 女性
- 千葉県船橋市在住 一人暮らし歴3年
- 病院事務の仕事
- 趣味は映画鑑賞と旅行
- 仕事が終わると週に3回は同僚と飲みに行く
- 実家は北海道 姉が一人いる
- 好きなテレビはバラエティ
- 幼い頃犬に噛まれて犬が苦手
かなり細かなプロフィールが記載されていますが、実際の商品・サービスを購入してもらうために分析すべき消費行動に関する情報がかなり少ないことが分かります。
ユーザーイメージを使うゴールはペルソナを実際のサービスに結びつけることなので、そのために必要ではない情報を集めてもあまり意味がありません。
ペルソナ作成の際には、「あってもかまわない情報」と「なくてはならない情報」の本質を間違えないようにして情報を集めなくてはなりません。
情報が曖昧でイメージしづらいペルソナ

また、情報が曖昧でイメージしづらいペルソナを作ってしまう場合も失敗するパターンがあります。
これを「イメージクラスタ型」と呼びます。
イメージクラスタ型とはイメージでグループ分けすることで、データとして定義できないペルソナが多数作られてしまう場合があります。
女性のユーザーイメージの典型的な失敗例をご紹介します。
- おっとりお姫様女子
- 可愛い小動物女子
- さわやかスポーツ女子
- 物静かな読書女子
- おしとやかなお嬢様女子
- 頼れる姐御女子
- 男前なサバサバ女子
グループ分けの根拠がデータではなく一般的なイメージから連想されるものであるため、人格の描き方が浅くなってしまいます。

「おっとりお姫様女子」と「頼れる姐御女子」の消費行動に違いはあるのでしょうか。
ましてや、「頼れる姐御女子」の中でも一人一人消費行動には特徴があり、同一のパターンを当てはめることはできません。
情報をもとにサービスを普及させていくことがペルソナ作成の意味ですが、ユーザーイメージありきでサービスを当て込んでいくとサービスの可能性は狭まってしまうということです。
情報に強い偏りがあるペルソナ

そして、「〇〇世代」のように情報に強い偏りがあるペルソナを作成した場合も失敗するパターンがあります。
これを「世代研究論型」と呼びます。
世代研究論型とは「ゆとり世代」「デジタルネイティブ世代」などニュースで報道されている学術研究をベースにしたモデルです。
この「〇〇世代」という考え方はヒアリングと行動観察などを通じて、しっかり時間と予算をかけてレポートされるので根拠があります。
しかし、この「〇〇世代」と分けられた世代に対してのインタビューでユーザーイメージを作成することには無理があります。
数人・数百名などと限定された人に向けてのインタビュー結果を世代の特徴としなくてはならないので、情報に強い偏りが生じてしまうのです。
「ゆとり世代の申し子」
- 仕事よりもプライベート重視
- 嫌なことや嫌いなことをやる必要性を感じない
- 自分ごとではなく、全て他人ごとに感じる
- 他者への関心が薄く、自分への関心が強い
- 基本はできても応用することが苦手
確かに世代観は分かりますが、この世代観を消費行動に結びつけることはできません。
ユーザーイメージを使うゴールはサービスに結びつけることなので、結局は各ユーザー個々の特性を考える必要があるということです。
ペルソナ作成に必要な5つの軸
「失敗例はわかったけど・・じゃあ、どうやってペルソナ作成したら良いの?」

ペルソナ作成に情報はあればあるだけ良いということではありませんが、しっかりアンケートで得たデータをもとに組み立てていかなければならないので必要な情報を集めなくてはいけません。
ここでは、ペルソナ作成をする際に必ず必要になる5つの軸をご紹介します。
- キャッチフレーズ
- ペルソナの名前
- ペルソナのイメージ画像
- 明確にイメージを作るための詳細データ
- ペルソナが自社サービスを利用している割合
これら5つの軸を理解して情報を集めることができれば、サービスに結びつけることのできるユーザーイメージが出来上がります。
では、初心者を対象にしていてあまり激しくないレッスンが魅力のヨガスタジオを例にユーザーイメージを作成していく過程を説明します。
キャッチフレーズ
「健康診断恐怖症のひきこもり女子」
ペルソナ作成には、ひと目で人物の特徴が分かるキャッチフレーズが必ず必要です。
サイトのサービスと関連したフレーズを選ぶとよりユーザーイメージを身近に感じられるようになります。
キャッチフレーズに関しては、お菓子の広告で使われた良い例があるのでご紹介します。
「味のイメージ」「他の味と組み合わせた時の役割」「果物そのもののイメージ」を活用し、元から持っているイメージを利用し共通理解しやすいキャッチフレーズが作られています。
- 一見ミステリアスな合わせ上手 ぶどう女子
- みんなのパイプを務める平和主義 ソーダ女子
- 曲がったことが嫌いな関係性メーカー チョコレート女子
ペルソナの名前
「菜々子」
仮想のユーザーイメージですが名前をつけることによって実際に実在しているかのように考えられるので必ず名前をつけましょう。
名前をつけることによって、社内で呼びやすくなりユーザーイメージに関する議論が活発になることが期待できます。
- もじり法
サービスのイメージモデルの名前からもじる - 生年月日逆算法
イメージモデルの生まれた年付近の子供の命名ランキングから選ぶ
ペルソナのイメージ画像
▼ペルソナのイメージ画像
さらに架空人物ではありますが、一瞬でユーザーイメージが思い浮かぶような写真・イラストを設定することも大切です。
視覚的なイメージを作ることでメンバー間の共通認識も高まり、質の高い議論ができるようになります。
明確にイメージを作るための詳細データ

- 性別 女
- 年代 20代
- 結婚歴 独身(1人暮らし)
- 世帯年収 300万円
- 利用頻度 2週間に2回
- 利用金額 3000円
- 利用目的
→例)ボディメイク、シェイプアップ、運動不足解消、リフレッシュ、肩こり腰痛の解消 - 利用するタイミング
→例)健康診断前、健康診断後、太った、体が辛い、朝が辛い、老いを感じた、彼氏ができた、彼氏にふられた、駅前に新しい店ができた、広告をみた
ユーザーイメージをより明確にイメージするためには、基本属性よりも消費行動が分かるようなデータを集めることが重要です。
利用目的も重要ですが、それよりも利用するタイミング・利用頻度・利用金額などのデータを集めることでより質の高いユーザーイメージの作成に繋がります。
ペルソナが自社サービスを利用している割合
「会員比率 55%」
自社サービス内での比率を考え、そのユーザーイメージがマジョリティか、マイノリティかを考えていきます。
55%であればマジョリティという扱いになり、このヨガスタジオの半分以上の会員がこの菜々子さんのような女性であるというように仮説を立てることができます。
また、このようにペルソナが自社サービスを利用している割合を考えると残りの割合はどのようなペルソナがいるのかという議論にまで発展します。
このようにして5つの軸をもとにペルソナを作成していけば、WEBサービスの改善や企画構成に役立つペルソナを作成することができます。

まだペルソナに関して具体的なイメージが掴めない方もいらっしゃるかと思います。
ご安心ください!
ここで解説した5つの軸を参考にして実際に作成したペルソナの事例を次でご紹介します。
作成したペルソナの事例
旅行カテゴリ・東京エリア 男性イメージ

▼上記ペルソナの詳細情報
キャッチフレーズ | 「JALグローバルクラスの医者」 →様々な国へ頻繁に行くハイクラスの男性イメージ |
---|---|
名前 | 直人 →ドラマ主人公半沢直樹と同年代イメージ |
画像 | お洒落でかっこいい医者をイメージ |
明確にイメージを作るための詳細データ | 年間3.5回利用、単価40,000円、関東在住層 高原リゾート・海岸リゾートを求める 食事へのこだわりが強い 旅行は滞在型でリラックスを求める 週末は健康ランドで半日過ごすこともある |
ペルソナが自社サービスを利用している割合 | 会員内比率は25% |
レストランカテゴリ 世帯年収1000万円未満 女性イメージ

▼上記ペルソナの詳細情報
キャッチフレーズ | 「インスタ映え女子」 →ライフワークのようにインスタ映えする流行を追う20代半ばの女性 |
---|---|
名前 | あおい →1994年ランキング6位「葵」より |
画像 | 流行に敏感そうな見た目とスマートフォンでインスタ女子 |
明確にイメージを作るための詳細データ | 外食は月1ペース 単価4,000円 仲の良い友人と最新スポットに出かける 肉・魚・スイーツなど好き嫌いなく食べる インスタにあげやすい企画体験型イベントが好き |
ペルソナが自社サービスを利用している割合 | 出現率は25% |

カテゴリによって集まるデータが少し異なるのがお分かりでしょうか?
パッと見て誰しもがその人物を想像できるようなペルソナ作成ができるようになると良いですね。
なるべく具体的な人物像を描けるとGOODです!
ペルソナは最低2つは作成する必要がある
「ペルソナって一つ作成すれば良いの?」

WEBサイト改善に結び付けたいのであれば、最低でもペルソナは2つ以上作成する必要があります!
先ほど例にあげたヨガスタジオの会員さん全員が「菜々子」のようなユーザーではありませんよね?
初心者向けのヨガスタジオでも中には昔ヨガをやっていて、また基礎から始めたいという出戻りユーザーさんもいるかもしれません。
サービスを利用する可能性のあるユーザーイメージを複数用意することで、より質の高いサービスへ改善していくことに繋がります。
WEBサイトのユーザーは1つのペルソナで説明できるほど単純ではなく、様々なユーザーが存在することは明らかです。
訪問するユーザーの大部分をいくつかのペルソナで説明できる程度にはペルソナの数が必要で、そうしなければWEBサイトを利用するユーザーの的を得ていないサイトになってしまいます。
作成したペルソナの活用シーン
「いざペルソナを作成したけど、これってどう使ったら良いの?」

ペルソナは作成することが目的ではなく、それを使ってこそ意味があります。
作成したペルソナを活用するシーンは以下の通りです。
- 記事作成する時
- 商品購入までのストーリーを可視化する時
記事作成する時
ペルソナを作成しユーザーイメージを明確にしておくことで、記事執筆の際の焦点を明確にすることができます。
先ほどのヨガスタジオで作成したペルソナ「菜々子」に向けて記事を執筆するのと、ヨガスタジオに興味がありそうな人全てに向けて記事を執筆するのではかなり記事の構成は変わってきます。
「菜々子」に向けて記事を企画するのであれば、運動週間があまりないけれど運動しなくちゃいけないとわかっている菜々子のような女性たちの心を動かすような記事を書く必要があります。
しかし、このようにペルソナが定まっていないとどの熱量でどのようなことを書いたら良いのかが定まらず記事の構成が難しくなります。

多くの読者の満足度70%を狙うよりも、記事を読む読者の半分の人の満足度100%を狙った方がゴールにたどり着くユーザーが多くなります。
残りの人の満足度がたとえ0%だったとしても、特定のペルソナにドンピシャの記事を書いた方がコンバージョン率のアップには断然効果があります。
商品購入までのストーリーを可視化する時
また、作成したペルソナはユーザーが商品を購入するまでのストーリーを可視化する際にも活用されます。
WEBサイトを改善する際にはユーザーがどのような動きで商品購入に至るのかということを考え、ユーザーがゴールにたどりつくまでの流れにアプローチします。

「菜々子」であれば運動しなくてはいけないことわかっているけれど、なぜヨガスタジオに入会しないのかという点にポイントがあります。
運動やヨガスタジオに入会すること自体に不安があったり、運動が続けられるかというメンタル的な不安があったりする可能性が考えられます。
さらに、アクセスや料金などで情報が不足していたり不満があったりするから入会しないのかもしれません。
このようにWEBマーケティングの世界ではユーザーが商品購入に至るまでのストーリーを可視化することで、どこに問題があってどの段階にいるユーザーにどのような情報を与えるかを考えていくということです。
ペルソナが作成されていればかなり具体的な議論ができますが、ふんわりとしたユーザーイメージでは議論することすら難しくストーリーを考えることできないのです。
作成したペルソナの活用方法
作成したペルソナの活用方法は、誰が見てもユーザーの行動・心理が全て分かる「理想的なサイトの体験シナリオ」を作成することです。
「理想的なサイトの体験シナリオ」を作成することでユーザーのサイト内外での消費活動をサイト作りに関わる全員が理解できるようになり、それぞれがユーザーが消費行動を起こすために自分たちがやるべきことを考えるようになります。

ユーザーの動きがすべてわかる総まとめである「サイトの体験シナリオ」は、「2プロフィール+4フェーズ」で構成します。
- プロフィール
利用実績、参考情報 - フェーズ
利用動機、情報収集、比較検討、利用決定
これらの情報を一枚の資料にまとめます。
変化する過程の中の一区切りを意味しており、ユーザーが商品を知り興味を持つ段階から商品購入までの消費行動の中での段階を示しています
「2プロフィール+4フェーズ」
- 利用実績(プロフィール)
ユーザーによるサイトの利用実績・金額・頻度・回数・利用メニューなど - 利用動機(フェーズ)
〇〇してみたい!〇〇がきっかけ! - 情報収集(フェーズ)
何を基準に探すか、情報源は何か - 比較検討(フェーズ)
何を基準にして選ぶか、どんな媒体を見て比べるか - 利用決定(フェーズ)
〇〇を見て決めた!〇〇をリピート中! - 参考情報(プロフィール)
あこがれのイメージ・インフルエンサー

- プロフィール情報で利用フェーズをサンドイッチする
- プロフィール・フェーズごとに内容を端的にまとめた見出しを作成
- サービスに直結する全体のまとめを一番目立つ箇所に記載
- シナリオを演出する
ランキング形式・行動背景をユーザーの言葉で記載・ジャンルやカテゴリ独自の情報記載

ポイントを押さえてサイト体験シナリオを作成すれば、そのシナリオを見ただけで誰しもがユーザーの行動・心理をイメージすることができるようになります。
しかし、忘れてはいけないのは「シナリオ」はあくまでもしっかりしたペルソナ設定があってこそのものだということですよ。
WEBマーケティングを行う際はまずペルソナ作成をしっかり行いましょう。
まとめ

ペルソナ作成についてご理解いただけましたでしょうか。
この記事では作成方法だけでなく、その作成したペルソナをどのように活用するかという部分にまで論点を広げました。
WEBサイトがうまく機能していなくてなかなか商品やサービスを購入してもらえず悩んでいる方は今一度ペルソナ作成から見直してサイトを改善していく必要があるかもしれません。
ペルソナ作成がうまくできずにユーザーの動きがうまくイメージできない場合には、一度我々「ティール株式会社」のようなプロ集団にご相談されることもご検討されてみてはいかがでしょうか。
持っているWEBサイトを十分に結果につなげられるように少数精鋭のフリーランス集団がお手伝いしますよ。まずは、お気軽にご相談ください。
※料金ページでお問い合わせが可能です。
狙いなしにWEBサイト運営や記事企画をしても、ユーザーには届かないんです。
まずはWEBサイトにどのようなユーザーがいるのか仮説を立てて、そのユーザーがどのようにして商品・サービス購入などのゴールにたどり着くのかという仮説を立てなくてはいけません。
その第一歩となるのが、「ペルソナ」作成です。
今回は、弊社でも参考にしている書籍の1つである『ウェブ担当者のためのサイトユーザー図鑑』をもとに、ペルソナの作り方から活用方法まですべてを解説していきます。